出版社ではなく、ミキハウスを選んだ理由

学生時代、実は教師を目指しており、アルバイトでも塾講師をしていました。ですが、限られた時間の中で限られた人数を相手にするということに、もどかしさを感じていました。机に向かって勉強をする、そんな意識ができる前に、「より多くの子どもの学びや成長に関わることはできないか」と考えた際、本をつくりたいと思い、出版業界を志すようになったんです。
ただ実際に数多くの出版社をまわるなかで、違和感があったんですよね。それは面接などでまず「君は何をつくりたいのか」「そしてそれは売れるのか」と聞かれることが多かったから。もちろん何かモノをつくるうえで、それが売れるかどうかということは必要な視点です。でも私が本当にやりたいと思っていることとは少し違うなという気がしました。それに対してミキハウスは「本をつくる」会社ではありません。「“子どもと家族の毎日を笑顔でいっぱいに”するためのひとつの手段として絵本もつくる会社」です。そのほうがより自分の志に近いと感じ、ミキハウスを選びました。

出版社ではなく、ミキハウスを選んだ理由

裏表紙に自分の名前が出る責任

ミキハウスの出版部が他の出版社と大きく違うところ。それは企画から販売まで一人の担当者が一貫して携われることです。これが一般的な出版社では難しいんですよ。企画担当は企画のみ、営業担当は営業、販売は販売…と機能が全て分かれているのが普通ですから。
ミキハウスでは、ゼロから考えた絵本の構成イメージをもとに、プロのイラストレーターさんや印刷会社とやりとりを繰り返してひとつの絵本をつくり上げる。できあがった商品をダンボール箱に詰めて、書店に持っていく。ミキハウスのショップにももちろん絵本を置くので、店頭に立ったときには自分のつくった絵本を自分で販売することもあります。この絵本のオススメはここです!などと言いながら(笑)。ミキハウス出版部だからこそできることのひとつです。
初めて自分が担当した本がショップに並んだ時のことは今でも忘れません。「角田望」という名前が絵本の裏表紙に載るんですよね。同期や知り合いが連絡をくれて、もちろんうれしいという気持ちはあったんですが、その分責任の重さを改めて感じました。自分がつくりたいものと、現実的につくれるものと、お客様に喜んでいただけるもの。そこをすり合わせていくことに日々難しさも感じています。

いつまでも心に残り続ける絵本をつくる。

いつまでも心に残り続ける絵本をつくる

角田 望

ミキハウスという看板を背負う以上、安心(安全かつ内容が正確)な絵本をつくることは大前提です。その上で最近では「子どもにとってどんな絵本であるか」を考えるようになりました。今取り組んでいるのは、ずばり、「子どもが自分の好きなものを見つけられる絵本」です。どうやったら子どもに自分で好きなものを見つけてもらえるかというと…詳しい内容は残念ながらまだ秘密です(笑)。自分がまだ子どもだったころに印象に残った絵本は、ボロボロになってもいまだに本棚の片隅で佇んでいます。みなさんにもそういう絵本がきっとあると思います。いつまでも心の中に残り続ける絵本。親になったとき自分の子どもに見せたいと思える絵本。そのような絵本をつくりたい。それがいまの私の志です。

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